2021-01-01から1年間の記事一覧

そして、遺骸が嘶く/酒場御行

こんにちは。 今日の本は、酒場御行さんの「そして、遺骸が嘶く〜死者たちの手紙〜」です。 統合歴六四二年、クゼの丘。 終戦から二年、狙撃兵・キャスケットは、陸軍遺品返還部のひとりとして、兵士たちの最後の言伝を届ける任務を担っていた。 遺族に出会…

図書館ホスピタル(三萩せんや)

本には、人を癒す力がある。 自分の気持ちを代弁してくれているように感じられたり、こうしたらいいんだと感じられたりする瞬間。本を読む人なら、必ず、経験したことがあるでしょう。 図書館ホスピタルという小説は、病院の跡地にある私設図書館のスタッフ…

貴方のために綴る18の物語/岡崎琢磨

辛くて、悲しくて、生きていくことに希望を見出せないとき。誰かがそっと手を差し伸べてくれたら、その手を握り返すこと、あなたにはできますか…? 死にたいほど追い詰められた女性が、見知らぬ老人に、短い物語を読むだけの仕事を頼まれるところから始まる…

スキマワラシ(恩田陸)

座敷童子。 怖い存在ではないと知りつつも、よくわからない、不思議な存在。 恩田陸さんのスキマワラシを読んで思ったのは、見えるはずのない存在に出会ったとき。私たちは、どんな反応をするのだろう?悪さをする存在でないとわかっていても、やはり、怖い…

あの人が同窓会に来ない理由(はらだみずき)

こんにちは。本と道草です。 今日は、はらだみずきさんの「あの人が同窓会に来ない理由」についてのブログです。 同窓会。 みなさんは、必ず参加をしますか?それとも、あまり参加しない人? 私は後者です。中学の、一番最初に開催された同窓会には参加しま…

ルビィ(重松清)

随分と間が空いてしまいました。 久々の、本とみちくさの記事です。 今回は、重松清さんの「ルビィ」という小説について書きます。 重松清さんといえば、何年か前に「流星ワゴン」がテレビドラマになりました。 ドラマも良かったけれど、やはり私は、小説の…

映画の話。

今日は、本ではなくて、映画のこと。 昔は、映画は映画館で観る!って決めていましたが…最近はそうでもなくて、dvdを借りてきたり、スマホ(Netflix)で、っていう感じが多いです。 少し話が逸れますが。 本が好きな人って、映画とか、音楽とか、そういうの…

みどりの月/角田光代

こんにちは。 今日は、もしかしたら初めて読んだかもしれない、角田光代さんの小説「みどりの月」のご紹介です! 成り行きで始まった、男女4人の共同生活を綴った「みどりの月」 別れの予感を抱えた夫婦の、あてのないアジア放浪を描く「かかとのしたの空」…

図書室の海/恩田陸

私設図書館「本と道草」 初めてのブログは、恩田陸さんの「図書室の海」を取り上げます。 恩田陸さんといえば、六番目の小夜子、夜のピクニック、蜂蜜と遠雷、などの小説がパッと頭に浮かびます。 20年ほど前に六番目の小夜子をドラマ(たしかNHK教育だっ…