貴方のために綴る18の物語/岡崎琢磨
辛くて、悲しくて、生きていくことに希望を見出せないとき。誰かがそっと手を差し伸べてくれたら、その手を握り返すこと、あなたにはできますか…?
死にたいほど追い詰められた女性が、見知らぬ老人に、短い物語を読むだけの仕事を頼まれるところから始まる。
最初の1週間は、軽い感じで読み進めることができるものばかり。
次の1週間は、自分の過去と重なる、胸糞悪いものばかり。
最後の1週間は、優しさが溢れたものばかり…
そして、18個目の物語は…ガンで亡くなった恋人からの手紙だった…
優しさや温もり。
今は辛くとも、生きてさえいれば必ず、自分に合った愛の形に巡り合うことができる。だから、生きてほしい。
自分の死と向き合いながら、大切な人に向けたメッセージを、小説という形で残す…
物語の持つ力は、とても大きなものなのだなと思うことができました。