みどりの月/角田光代

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こんにちは。

今日は、もしかしたら初めて読んだかもしれない、角田光代さんの小説「みどりの月」のご紹介です!

 

 

 

 

成り行きで始まった、男女4人の共同生活を綴った「みどりの月」

別れの予感を抱えた夫婦の、あてのないアジア放浪を描く「かかとのしたの空」

この2つの物語が収録されています。

 

2つの物語に共通しているのが「イライラ」と「不快」そして「孤独」

誰かと生活を共にしている以上、イライラしたり、不快になったりということは、少なからずあるでしょう。そして、時には孤独を感じることも…

この物語を読んでいると、主人公がイライラしたり不快に感じたりしている人物が、本当はいい人なんじゃないか?魅力的な人のような気がするなぁ…そう思える瞬間があります。

主人公の気持ちもわかるけど、それでも、そんなに怒らなくても…と思ってしまう。なんだか不思議な感覚を覚えてしまいました。

解説のタイトルが「いろんな気持ちが本当の気持ち」というものなのだけど、それな〜、と妙に納得してしまいました。

 

読み終えた瞬間。ちょっとだけ未来に光が見える感じ…というか、まぁいいや、と思えるというか。

明るい孤独。やるせない心。そういうものとの付き合い方を考えさせられる一冊です。